チチブを対象とした長時間の全層貧酸素化の生態影響を緩和させる生物避難場に関する調査実験

書誌事項

タイトル別名
  • A STUDY ON THE SHAPE OF A STRUCTURE FOR MITIGATING THE IMPACT OF LONG-TERM HYPOXIA OCCURRING IN ALL LAYERS ON <i>TRIDENTIGER OBSCURUS</i>

抄録

<p> 底層から表層までの全層にわたって貧酸素化が起こる水環境中で,その貧酸素化の影響を緩和することのできる構造物の形状についての検討を行った.尼崎運河は,慢性的に貧酸素化しており,時には全層で貧酸素化し,年間を通して生存が確認される魚種は底生魚のチチブだけであった.空隙を有する構造物を表層に設置すると,底層のみが貧酸素化するときには,そこを代替の棲み処とし,また全層で貧酸素化したときには水面付近に沈められた板の上に乗り,再曝気されたわずかな酸素を求めて水面に向かって鼻上げ行動をすることがわかった.この時,空隙への選好行動やなわばり行動などのチチブの一般的な行動は認められなかった.以上のことより,貧酸素化する水域では,空隙と定位可能な底面を有する構造物を水面付近に設置するとチチブの避難場として機能することがわかった.</p>

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参考文献 (1)*注記

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