早期乳癌診断のための核及び膜抽出アルゴリズム

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タイトル別名
  • Algorithm of extracting nuclear and membrane for diagnosing early breast cancer
  • ソウキ ニュウガン シンダン ノ タメ ノ カク オヨビ マク チュウシュツ アルゴリズム

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抄録

乳癌は遺伝子プロファイルによりいくつかのサブタイプに分類でき,臨床病理学的指標(ER, PgR, HER2)に基づく分類により,四つの病型(Luminal A, Luminal B,HER2-enriched, Basal-like)に分けることができる。そのため乳がんは,この分類に基づいたTarget Based Therapy が治療の主流となっている。分類のために必要な蛋白質の発現量は,細胞検査士の目視による定性的な評価で判定されており,再現性に欠ける点が大きな問題となっている。そこで著者らは蛋白質の発現量を定量的に解析する手法について検討を行った。特に乳癌の指標となる三つの蛋白質のうち,ER とPgR が発現する細胞核と,HER2 が発現する細胞膜の細胞単位での認識が重要であると考えた。提案手法は,細胞核を抽出する際の未検出率を低下させ,かつ細胞単位の抽出を可能にしている。また,細胞膜については膜部分を特異的に抽出している。その結果,細胞核抽出において80%程度の正検出率を実現でき,一般的な手法では難しかった細胞単位での細胞膜抽出を可能にし,従来法に対して30%以上の精度向上を実現できた。

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