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- 須藤 靖
- 東京大学大学院理学系研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- Hubble or Lemaitre : Who Discovered the Expanding Universe?
- 交流 ハッブルかルメートルか : 宇宙膨張発見史をめぐる謎
- コウリュウ ハッブル カ ルメートル カ : ウチュウ ボウチョウ ハッケンシ オ メグル ナゾ
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説明
宇宙膨張は(正しく理解されているかは別として)今や現代人の常識と言っても良いほど広く知られた事実である.理論的には一般相対論の自然な帰結であり,その膨張宇宙解は,ロシアのアレキサンドル・フリードマン(1922年)およびベルギーのジョルジュ・ルメートル(1927年)によって発見された.一方,それが単なる理論的な解ではなく,我々の宇宙を記述していると考えられる根拠は,遠方銀河があまねく我々から遠ざかっており,しかもその速度がその銀河までの距離と比例しているという観測事実である.この速度-距離関係は,1929年の論文で発表した米国の天文学者エドウィン・ハッブルの名前を冠してハッブルの法則,速度と距離の比例係数はハッブル定数と呼ばれている.しかし,ルメートルは1927年の論文(フランス語)ですでに「ハッブルの法則」を発見していたという.しかも1931年に出版された英訳版の論文では,その該当箇所がなぜか消えている.このミステリアスな事実が最近,一部の天文学者の間で注目を集めている.
収録刊行物
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- 日本物理学会誌
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日本物理学会誌 67 (5), 311-316, 2012-05-05
一般社団法人 日本物理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845702301196928
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- NII論文ID
- 110009454139
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- NII書誌ID
- AN00196952
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- ISSN
- 24238872
- 00290181
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- NDL書誌ID
- 023608063
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可