書誌事項
- タイトル別名
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- Prediction of the Oral Intake with an Endoscopic Swallowing Examination in Dysphagia Patients Who Underwent Surgery for Digestive Diseases
- ショウカキ シッカン ジュツゴ ノ エンカ ショウガイ カンジャ ニ オケル エンカ ナイシキョウ ケンサ ニ ヨル ケイコウ セッシュ カクリツ ノ ヨソク
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説明
<p> 消化器疾患術後の嚥下障害患者において, 初回嚥下内視鏡検査 (以下 VE) の結果から経口摂取の予後予測が可能か検討する.</p><p></p><p> 2013年1月~2017年9月までに, 当院消化器外科で施行された全身麻酔下手術症例のうち, 術後嚥下機能評価目的に当科に紹介された28症例を対象とした. 初回 VE 時から最長80日後までの経口摂取状況を追跡調査し, 1) 経口摂取の可否, 2) 代替栄養離脱の可否について, 患者背景 (年齢, 性別, 術前の嚥下性肺炎既往の有無, 気管切開の有無, 声帯麻痺の有無, ASA-PS 分類, 手術時間), 初回嚥下内視鏡検査のスコア評価法 (以下兵頭スコア), VE 時の誤嚥の有無との関連を単変量解析 (Fisher 検定) にて検討した. また, Kaplan-Meier 法を用いて, 初回兵頭スコアの高低別 (cut off 値6点) および初回 VE 時の誤嚥の有無別の経口摂取開始率と代替栄養離脱率を検討した. 有意差検定には log-rank 検定を用いた (p < 0.05).</p><p></p><p> 初回 VE 時から最長80日後までの経過観察において, 経口摂取可能例26例, 不能例2例, 代替栄養離脱例19例, 依存例9例であった. 初回兵頭スコア ≦ 6点群19例, 兵頭スコア > 6点群9例, 初回VE時に誤嚥あり10例, 誤嚥なし18例であった. 経口摂取・代替栄養離脱の可否別の単変量解析において, 患者背景因子, 初回兵頭スコア, VE 時の誤嚥の有無について有意差を認めなかった. しかし, 兵頭スコア高値群は兵頭スコア低値群と比較し, 経口摂取開始や代替栄養離脱までに有意に長い日数を要した. また VE 時の誤嚥の有無別においても, 経口摂取開始までに有意差は認めなかったが, 代替栄養離脱までに有意に長い日数を要した.</p><p></p><p> 消化器疾患術後の嚥下機能評価として初回 VE 時の兵頭スコアおよび誤嚥の有無は, 最終的な経口摂取可否の予測因子にはならないが, 代替栄養離脱までの期間を予測する因子であることが示された.</p>
収録刊行物
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- 日本耳鼻咽喉科学会会報
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日本耳鼻咽喉科学会会報 122 (10), 1304-1313, 2019-10-20
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845702311804416
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- NII論文ID
- 130007742106
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- NII書誌ID
- AN00191551
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- ISSN
- 18830854
- 00306622
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- NDL書誌ID
- 030063233
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可