記憶のしくみを内包した新たな安全教育システム

書誌事項

タイトル別名
  • A new safety education system involving the memory mechanism
  • キオク ノ シクミ オ ナイホウ シタ アラタ ナ アンゼン キョウイク システム

この論文をさがす

説明

<p>香川大学創造工学部の大学生を対象とした寒剤に関する安全教育は、スライドと紙媒体資料から理解に繋げる講義と実演を合わせた1度きりの講習からなるものであった。しかしながら、本学部で発生した学生の液封によるインシデントの原因を調査すると、既存の安全教育が学生にとって実際の危機に十分な対処ができないとの示唆に富むものであった。</p><p>本稿は学生が液体窒素汲出し作業の危険性を十分に認識して危機を回避することを念頭に、人間の記憶のしくみに着目した本学部の安全教育プログラムについて示す。はじめに、体験型教材を用いた講義とリハーサル動画を用いた実技による安全講習を実施した。そして、この教育内容を記憶させる分散学習を行った。 その後に、IC認証と作業監視によるデータ収集によって課題を把握して、教育効果の低い分類群に補填的な再学習教材を適用させた。さらに、利用者の属性による情報伝達の阻害要因を解消させる作業支援Webアプリケーションを導入した。</p><p>本システムは教育内容を長期記憶へと導き、これを想起させる仕組みが内包された安全教育のロールモデルとして、液体窒素以外の分野でも活用が期待される。</p>

収録刊行物

  • 環境と安全

    環境と安全 10 (3), 197-204, 2019

    大学等環境安全協議会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ