子どもの小学校入学に際して生じる国際結婚夫婦の文化的アイデンティティのゆらぎ

書誌事項

タイトル別名
  • Cultural Identity Disequilibrium Experienced by Intercultural Parents During Their Children’s Elementary School Selection and Adaptation:
  • Cultural Identity Disequilibrium Experienced by Intercultural Parents During Their Children's Elementary School Selection and Adaptation : A Qualitative Analysis of Interviews With Japanese Mothers Married to Non-Asian Fathers
  • A Qualitative Analysis of Interviews With Japanese Mothers Married to Non-Asian Fathers
  • ―公立小学校とインターナショナルスクールの比較を主軸に―

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説明

<p> 本研究では,日本に在住する国際結婚夫婦がどのようなプロセスを経て子どもの小学校を選択したのか,入学以降どのような経験をしたのか,子どものサポートにおいてどのような対応を実施しているのかを,外国人夫と結婚し,学齢期の子どもを持つ29名の日本人母親へのインタビューから検討した。主に,子どもを公立学校へ通わせている公立群とインターナショナルスクールへ通わせている国際群の比較を主軸に論じた。親は教育期への移行に際し,二重の異文化構造に組み込まれること,日本文化・教育と父親の文化・言語教育との狭間で葛藤していたこと,子どもが自身の出身文化圏と異なる学校に通う際,親の文化的アイデンティティが揺るがされる可能性が示唆された。学校関係者やその他支援者は,複雑な文化的背景にある家庭に対して,典型的な基準や問題意識を当てはめるのではなく,密にコミュニケーションをはかることで,彼らが経験する様々な独特の問題を把握するべく努めるべきである。本研究で得られた異文化間で子育てをすることに付随するバイリンガル教育に関する問題や親個人の葛藤を先行知識として持つことは,支援の一助となるだろう。</p>

収録刊行物

  • 教育心理学研究

    教育心理学研究 67 (3), 203-220, 2019-09-30

    一般社団法人 日本教育心理学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (6)*注記

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