異なった速さをもつ2種類のオプティカルフローにより生起するベクションの速さ評価

  • 川島 祐貴
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻
  • 福田 一帆
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻
  • 金子 寛彦
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻
  • 内川 惠二
    東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Speed Estimation of Vection Produced by Two Optical Flows at Different Speeds

この論文をさがす

説明

<p>本研究では,同一の空間を異なる速さで拡大する2種類のオプティカルフローを観察した場合に,どのようなベクション(視覚誘導性自己運動感覚)が生起するかを調べた。2種類のオプティカルフローの速さの差を速さ条件とし,オプティカルフローを形成するランダムドット刺激の空間密度比を変数にして,ベクションの速さを評価する実験を行った。その結果,ベクションの速さは,2種類のオプティカルフローの速さの差が小さい場合は,ランダムドット刺激の空間密度比に伴って線形に変化した。2種類のオプティカルフローの速さの差が大きくなり,オプティカルフローが二つに分離して知覚される場合は,ベクションの速さが遅いオプティカルフローにより決まる場合と両方のオプティカルフローにより決まる場合に分かれた。しかし,後者でも遅いオプティカルフローの速さの寄与が大きいことが明らかになった。このようなベクションの速さ知覚の特性をランダムドット刺激の空間密度比に対する足し合わせモデルによって説明した。</p>

収録刊行物

  • 視覚の科学

    視覚の科学 33 (4), 152-163, 2012

    日本眼光学学会

参考文献 (37)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ