臨床化学検査の外部精度管理調査における変質試料の検出

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タイトル別名
  • Detection of Deteriorated Samples in Clinical Chemistry Survey
  • リンショウ カガク ケンサ ノ ガイブ セイド カンリ チョウサ ニ オケル ヘンシツ シリョウ ノ ケンシュツ

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抄録

臨床化学検査における測定値には無視できない誤差が付随するため,測定の精度管理が重要な課題となっている.日本医師会,日本臨床衛生検査技師会では,毎年臨床化学検査を実施しているすべての施設に呼びかけ,それらの施設を対象に外部精度管理調査を行っている.この調査では全参加施設に同一の試料を配布するが,その含有成分には不安定なものが多く,様々な原因によって変質を起こし,その濃度が変化してしまうことがある.変質した試料を受け取った施設はその測定能力を不当に評価されてしまうため,調査の主催者は何らかの方法で試料の変質を検出し,再配布などの処置を講ずる必要がある.しかし,施設の中には正常に測定を行っても偏りのある測定値を出すものもあり,変質による影響と交絡してしまうなど変質の検出には様々な困難を伴う.<BR> 本報では,外部精度管理調査における各施設の測定値と変質による試料の劣化をモデル化し,外部精度管理調査で各施設から得られた測定値を分析して変質した試料を統計的に検出する方法を提案する.<BR> 本報で提案する方法により,外部精度管理調査において変質の起こった試料を特定し,より適切な精度管理を行うことができる.

収録刊行物

  • 品質

    品質 34 (2), 69-77, 2004-04-15

    一般社団法人 日本品質管理学会

参考文献 (3)*注記

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