雪どけ時期を早めると樹木のフェノロジーや成長は種によってどう異なるか
書誌事項
- タイトル別名
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- The advanced snowmelt timing changes the phenology and growth of trees different depending on the species
抄録
<p>近年の地球温暖化に伴い、春先の樹木の成長において重要な役割を持つ雪解け時期が北海道でも早まっている。雪解け時期の早まりは森林の無機的環境を変化させ、樹木の成長に影響を及ぼすが未だ不明点が多い。雪解けの早まりが植物の成長に及ぼす影響は種によって異なることが知られているが、その種間差を統一的に説明する要因は分かっていない。そこで本研究では、雪解け時期の早まりが冷温帯に生育する樹木の成長へ及ぼす種間での違いとそのメカニズムについて、樹木の機能形質に注目して明らかにすることを目的とした。実験では北大研究林内の苗畑において異なる木部構造を持つ落葉広葉樹の苗木6種を対象に、3月下旬に雪を溶かし雪解け時期を1週間半早め、樹木への影響を見た(雪解け処理)。雪解け処理によって全ての樹種で成長量は増加したが、その増加程度は樹種によって異なった。成長量の増加程度の樹種間差を説明する要因について検証したところ、出葉時期や葉形質ではなく、木部構造の違いが重要であることが示唆された。本研究から、雪解け時期の早まりが樹木の成長へ及ぼす影響は種間によって異なり、種間差を生み出す要因が木部構造であることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 129 (0), 305-, 2018-05-28
日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845712964338816
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- NII論文ID
- 130007375918
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可