解析雨量を用いた自然湧水の涵養域に関わる考察―新宿区立おとめ山公園を例にして―

  • 清水 彬光
    海城中学高等学校 学生 (現所属:東京工業大学 学部生)
  • 上村 剛史
    海城中学高等学校 教諭 (現所属:大阪府立大手前高等学校 教諭)

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of recharge area for spring water by use of Radar-raingauge Analyzed Precipitation—A case study at Otomeyama Park, Shinjuku Ward, Tokyo Metropolis—
  • カイセキ ウリョウ オ モチイタ シゼン ワキミズ ノ カンヨウイキ ニ カカワル コウサツ : シンジュク クリツオトメ サン コウエン オ レイ ニ シテ

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抄録

<p>新宿区立おとめ山公園の自然湧水とその周辺にある井戸の地下水面標高を対象に,7年間以上(湧出量:2009年4月~2016年1月,地下水面標高:2011年9月~2015年5月)に渡ってモニタリング調査を行った。近接する観測地点の降水量から地下水面標高を推定するタンクモデルを構築したところ,地下水面標高の変動が高精度(NSE=0.993,RMSE=0.221 m)で再現された。その上で,タンクモデルを広域に適応できるという仮定の下,解析雨量を利用して公園周辺の涵養域に関する考察を試みた。まず,5つの涵養域候補を設定し,それぞれの平均降水量を算出した。続いて,タンクモデルのパラメーターは固定して,5つの降水量から算出される地下水面標高と実測値とを比較し,NSE, RMSEを用いた結果,NSEが最大,RMSEが最小となる範囲があった。本稿では,この範囲が涵養域であると直ちに結論付けることはできないが,今後適切なモデルを構築できれば,解析雨量とタンクモデルを用いた分析を涵養域推定の一つの方法として用いることができる可能性が示された。また,水質調査の結果,晴天時と比べて大雨時におけるSiO2濃度・電気伝導度の優位な低下が見られず,おとめ山公園では地中の古い水が押し出されて湧出している可能性が示された。</p>

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