伊豆諸島におけるスダジイ集団枯損終息後のカシノナガキクイムシ個体群動態

DOI
  • 後藤 秀章
    (国研)森林機構 森林総合研究所九州支所 鹿児島大学大学院連合農学研究科
  • 所 雅彦
    (国研)森林機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Population dynamics of <i>Platypus quercivorus</i> after the end of mass mortality of <i>Castanopsis sieboldii</i> in Izu Islands.

抄録

<p>伊豆諸島の三宅島、御蔵島、八丈島において、2010年にカシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)の媒介するブナ科樹木萎凋病によって、スダジイの集団枯損が発生した。この被害では、個体数の増加が被害発生の原因ではないと考えられるが、被害発生時のカシナガ個体群の状況は不明である。そこで、カシナガ個体群を長期に観察することで、カシナガ個体数の増加と集団枯損発生の関連について検証した。上記3島に2013年から2017年まで、三宅島と御蔵島ではフェロモン剤(カシナガルアー(サンケイ化学製))、八丈島ではエタノールを誘引剤とした透明のファンネルトラップ(カシナガトラップKMC)を各島10基ずつ設置し、捕獲されたカシナガ個体数を調査した。調査期間内に、3島で各1度ずつ、小規模なスダジイの集団枯損が発生した。このうち三宅島と御蔵島では、被害はカシナガ捕獲数が調査期間内で最も少ない年に発生しており、カシナガ個体数の増加は、必要な条件ではないと考えられた。一方で、八丈島では捕獲個体数が増加した年に被害が発生しており、個体数の増加が枯損被害を発生させる可能性があることも示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845712965437184
  • NII論文ID
    130007376336
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_657
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ