音叉型振動式粘度計を用いた粘度指標作成の試み

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Viscosity Index Using the Sine-Wave Vibro Viscometer: Evaluation of Time-Dependent Modulation of Stability in Various Viscous Materials
  • 音叉型振動式粘度計を用いた粘度指標作成の試み : 各種とろみ剤溶液の粘度と安定性についての経時的評価
  • オンサガタ シンドウシキ ネンドケイ オ モチイタ ネンド シヒョウ サクセイ ノ ココロミ : カクシュ トロミ ザイ ヨウエキ ノ ネンド ト アンテイセイ ニ ツイテ ノ ケイジテキ ヒョウカ

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抄録

摂食・嚥下機能低下に対する治療食は,物性の調整,とりわけ粘度調整を必要とし,各種とろみ剤が利用されている。そこで本研究は,とろみ剤の違いによる粘度の違いや時間経過による粘度変化について評価すること,およびとろみ剤分量と粘度の関係を示す粘度指標を作成することを目的とした。  粘度計測は,音叉型振動式粘度計を用いて行ない,静粘度と濃度の関係を日本摂食嚥下リハビリテーション学会分類2013とろみの段階粘度を参考にして示した。とろみ剤を溶解して5分後有意な粘度安定が認められたことから,溶解5分後の値の粘度を指標とし,濃度との間における相関曲線からとろみ段階の境界粘度の濃度を推計し,粘度指標を作成した。50mPa・sから150mPa・sにまでの静粘度範囲でのとろみ剤濃度を比較したところ,少ないもので0.43%,多いもので1.06%となり,おおよそ2倍の乖離を認め,使用する市販とろみ剤を変更したり,施設間で市販とろみ剤を利用した治療食を共有したりする場合,物性の統一が困難となることが予想された。結語として,多職種間でも共通認識が持ちやすい粘度指標を作成した。とろみ剤の正確な計量の重要性を意識付ける指標となり,栄養指導や多職種連携のツールとなりうる可能性が期待された。

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