病院における多職種研修の現状分析

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タイトル別名
  • Multi-Professional Workplace Training in a Hospital From the Viewpoint of Interprofessional Education: A Mixed Method Study
  • 病院における多職種研修の現状分析 : IPE構築の視点から
  • ビョウイン ニ オケル タショクシュ ケンシュウ ノ ゲンジョウ ブンセキ : IPE コウチク ノ シテン カラ
  • ─IPE構築の視点から

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抄録

多職種連携には現任者の多職種連携教育(IPE)が必要とされる。医療機関で多職種が参加する研修には種々あるが,全体像は明らかでない。本研究では,某病院の多職種研修の種類と参加状況を調査し,IPEの資源としていかに活用するか検討する。S 病院の①職員13名への半構造化面接と,②全職員2,336人を対象にした質問紙調査を実施し,混合研究法で検討した。調査①では,S 病院で行なわれている多職種研修(以下研修)の3 つのカテゴリー(現任訓練,研修プログラム,業務外の活動)と,研修を通した学び方,育て方に関する4つのコードを抽出した。調査②(回収率56.7%)の結果は,研修の種類別参加経験者率は,委員会・学習会71.2%,新人研修65.8%,院内研修会60.0%,院外研修会47.7%,事例検討会42.9%の順に高く,約9 割の職員が1つ以上に参加していた。属性別比較(χ2検定と残差分析)では(1)経験年数が短いほど新人研修で高く,それ以外で低い(p<.01)。(2)ソーシャルワーカーは上位5つの研修の全てで,看護介護は委員会・学習会等,診療技術系は新人研修,療法士は新人研修等,医師は事例検討会等で高い(いずれも p<.01)。(3)慢性期部門は新人研修以外の多くで高い(p<.01, p<.05)。(4)非役職者は新人研修以外の全てで低い(p<.01)。以上から,多職種研修の全体像を把握し複数の研修に共通の目標を設定することで,効果的なIPEの資源となりうる。今後,業務外の活動を含む各研修の特徴を明らかにする必要がある。

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