腹腔鏡下に摘出した腹腔神経叢神経鞘腫の1例

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タイトル別名
  • Laparoscopic Extirpation of Neurilemmoma Arising from the Nerve Plexus Around the Celiac Trunk—A Case Report—
  • 症例 腹腔鏡下に摘出した腹腔神経叢神経鞘腫の1例
  • ショウレイ フククウキョウ カ ニ テキシュツ シタ フクコウ シンケイソウシンケイ サヤ シュ ノ 1レイ

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抄録

症例は42歳,男性.上部消化管出血にて当院救急搬送となり,上部消化管内視鏡検査にて胃癌と診断され手術目的に当科紹介となった.その際,CT検査にて腹腔動脈幹左側に最大径45mm大の境界明瞭な充実性腫瘤を認めた.MRI検査ではT2強調像で被膜構造を有する高信号,拡散強調像では均一な軽度高信号を示すことから,後腹膜神経原性腫瘍や後腹膜リンパ管腫などが疑われた.しかし,胃癌関連,あるいはその他の悪性疾患の可能性も否定しえず,胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術と同時に,腹腔鏡下後腹膜腫瘤摘出術を施行した.術中所見では同腫瘤は腹腔動脈幹周囲の神経叢と索状物で連続しており,同神経叢由来の腫瘍と考えられた.病理検査では神経鞘腫との診断であった.腹腔動脈幹周囲の腹腔神経叢に発生した神経鞘腫の報告は,検索しえた限り本邦では自験例を含め6例と稀であり,また,自験例は腹腔鏡下に摘出された初めての症例であった.

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