人間ドック受診者の随時尿から推定した塩分摂取量と血圧値との関係

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タイトル別名
  • Association of Salt Intake Estimated from Casual Urine Samples and Blood Pressure in Ningen Dock Examinees
  • ニンゲン ドック ジュシンシャ ノ ズイジ ニョウ カラ スイテイ シタ エンブン セッシュリョウ ト ケツアツチ ト ノ カンケイ

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抄録

目的:山形県は人口当たりの高血圧患者数が全国で最多である.血圧管理には減塩が重要であるが,当県を含む東北地方は従来塩分摂取量が多いことが知られている.当院では平成27年4月より人間ドックの検査項目に塩分摂取量を追加した.人間ドック受診者の塩分摂取量と血圧値との関係を検討した.<br>方法:平成27年4月~平成28年3月までの当院人間ドック受診者のうち,利尿薬内服中の39名を除く1,380名(男性1,034名,女性346名,年齢56±11歳)を対象とした.受診時の随時尿から塩分摂取量を推定式に基づき計算し,塩分摂取量と血圧値との関係について,降圧薬を内服していない群(無群),降圧薬内服中の群(有群)に分けて検討した.また,塩分摂取量と肥満の有無・体重・年齢との関係ついても検討した.<br>結果:人間ドック受診者全体の平均塩分摂取量は9.03±2.24(男性9.14±2.24,女性8.71±2.23)g/日で厚生労働省が勧める男性8g未満,女性7g未満に該当するのは全体でわずかに26.8(男性29.1,女性19.9)%であった.塩分摂取量と血圧値の関係をみると,無群では塩分摂取量が多くなるに伴い収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に上昇したが,有群では関連を認めなかった.塩分摂取量を無群・有群で比較するとどの年代においても有群で塩分摂取量が多く,体重が大きい程,また肥満者で塩分摂取量も多かった.<br>結論:当院の人間ドック受診者のうち,厚労省の推奨値以下の塩分を摂取している割合は4分の1に過ぎなかった.有群は無群に比し,塩分摂取量が多かった.無群では塩分摂取量と血圧値の間に有意な相関が認められ,6g未満に至らない減塩でも降圧に有効である可能性が示唆された.

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