土壤凍結地帯の湿性型火山灰土の腐植酸の形態 : 解明とPedologyへの利用(<特集>ペドロジーと腐植研究)
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- 田村 昇市
- 帯広畜大
書誌事項
- タイトル別名
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- On humic acids of volcanic ash soils ("wet type") in frost region of Hokkaido, Japan(What may contribute humus investigation to soil genesis?,Symposium)
抄録
土壤凍結地帯に分布する湿性型火山灰土は,外観上そのA層が最も黒く油光りしている。さらにB/G層との境界は水平面をなしている。このような特色をもつ腐植層の腐植酸の形態研究からつぎのごとき知見を得た。 -湿性型火山灰土の腐植酸の特性- (1)ピロ燐酸ソーダ可溶の腐植酸が他の型に比し最も多量に存在している(腐植層の黒い理由の一つ)。(2)この腐植酸の光学的密度が他の型に比し最も高い(腐植層の黒い理由の一つ)。(3)その腐植酸は270mμに小吸収を有し,この分子内で芳香族環状化合物が発色団として存在していると推定される。(4)この腐植の分子構造はベンゼン環による振動,ならびに,カルボニール基,OH基がみとめられ,高分子化合物の形態を備えている。(5)この腐植酸中には微細結晶領域(C-graphite結晶構造に近い形態)が存在し,他の型の腐植酸に比し,その領域は多いものと考えられる(下層へ溶出しない理由の一つ)。またHCl処理により,この領域は増大する。(6)この腐植酸のDTAの600℃の発熱ピークは他の3つの型に比し最も大きい。(7)この腐植酸は風乾すると,キラキラ光り,乳鉢中ですりつぶすのに非常に力を要し,砕けるときには金属音を発する。(8)この腐植酸の形態研究から,この土壤型はポドソール,泥炭土,沖積土に属さず,熊田のA型腐植酸をもっ土壤型,すなわち,チェルノーゼム,腐植質石灰土等に属するものと考えられる。このことは断面形態,理化学性からも実証される。
収録刊行物
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- ペドロジスト
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ペドロジスト 4 (2), 94-98, 1960-12-30
日本ペドロジー学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845712971231360
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- NII論文ID
- 110009427086
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- ISSN
- 21897336
- 00314064
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可