トンプソン・カリブー地域における大規模牧畜農場の再編とそれにともなう農村空間の商品化
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- 菊地 俊夫
- 首都大学東京
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- 田林 明
- 筑波大学
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- 仁平 尊明
- 北海道大学
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- ワルディチュック トム
- トンプソン・リバース大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The commodification of rural spaces with the restructuraing of large-scale livestock farms in Thompson Cariboo region, British Columbia, Canada
抄録
研究目的 本研究はカナダ・ブリティッシュコロンビア州内陸のトンプソン・カリブー地域における農村空間の商品化の地域的な特徴を明らかにすることを目的とする。トンプソン・カリブー地域は元々、粗放的な大規模牧畜地域であったが、畜産物流通のグローバル化や、都市と農村の所得格差にともなう人口流出により、大規模牧畜地域は変化している。そのような状況のなかで、農村空間の商品化の特徴的な様相がいくつかみられる。<br><br>研究フレームワーク トンプソン・カリブー地域における大規模牧場が地域の内的条件と外的条件の影響を受けて、さまざま変化する様相を時間的、空間的に明らかにする。具体的には、大規模牧場はそのままの農場規模を利用しながら再編をしていくものと、農場が細分化され、小規模化した農場を利用するものとに大別できる。<br>大規模牧場の再編 大規模酪農場は、他の大規模牧畜業と差別化を図るため、オーガニックの牛乳生産に専門化し、搾乳だけではなく市乳や乳製品の加工を行っている。その農場は独自のブランドをつくり、流通システムや販路を開拓している。大規模牧畜農場が醸造用の大規模なブドウ栽培や野菜栽培の農場に転換されたものもある。例えば、大規模な野菜栽培農場は、都市の市場やファーマーズマーケットとの契約栽培により、安定した収益を得ており、ここではBC産というローカル生産をブランドの1つとしセールスポイントにしている。他方、大規模牧畜農場が細分化されて販売され、購入した農家が小規模な農場をより収益性の高い作物栽培(高麗人参栽培)や牧畜(軽種馬飼養)の場にしているところもある。しかし、細分化された農場の多くはホビーファームとして利用されている。
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2018s (0), 000055-, 2018
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845712971794176
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- NII論文ID
- 130007411841
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可