ELA estimation model to evaruate characteristics of the active glaciers in the northern Japanese Alps

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  • 平衡線決定モデルを用いた立山周辺の現成氷河および多年生雪渓の質量収支特性の解析

Abstract

1.はじめに<br> 北アルプス北部の立山・剱岳山域の多年性雪渓のいくつかが現成氷河であることが、ほぼ確定的となった(福井・飯田 2012, 福井ほか 印刷中)。とはいえ、これらの氷体に関しては、氷厚測定やGPS流動測定などの現地観測による結果がようやく出そろった段階であり、涵養・消耗機構や流動機構については未解明な点が残されている。特に、当該氷体に、年間20mを超す多涵養/多消耗の質量収支特性や底面剪断力の大きな季節的変動が認められるなど、従来の研究では注目されてこなかった新しい課題も浮かび上がってきた。<br> 本研究は、発表者らがこれまでに開発してきた地形と氷河流動のカップリングによるELA決定モデル(澤柿ほか2014a,b)を立山・剱岳山域の多年性雪渓に適用させて、多年性雪渓から氷河への遷移機構や氷体の形成・維持に関する物理的・気候的メカニズムを明らかにすることを目指している。氷河と認定する段階からさらに踏み込んで、多年性雪渓から氷河への遷移機構や氷体の形成・維持機構を解明する段階に発展させようとするものである。<br>2.ELA決定モデル<br> 本研究で用いるELA決定モデルは、そもそも、氷河地形と涵養域面積比(AAR)に基づいて決定される過去の平衡線高度(paleo-ELA)が抱える問題点を解決すべく、3次元数値地形モデルで復元された氷河の動力学的妥当性を客観的・解析的に吟味できるように開発したものである。モデルで算出される解析結果を客観的根拠として地形学的な氷河復元にフィードバックすることも目指している。これまでに、モデル構築の第一段階として、観測データが豊富な欧州の典型的氷河でELA決定モデルの妥当性を検証・確認した(澤柿ほか2014a)。さらに第二段階として、このモデルを後期更新世の日高山脈に発達した山岳氷河に適用して、そのpaleo-ELAを算出している(澤柿ほか2014b)。<br>3.立山の氷体への適用<br> 本研究では、上記のモデルに改良を施し、現成氷河の可能性が指摘された立山・剱岳山域の氷体とそれらの近傍の多年性雪渓に適用する。<br> 対象とする氷体は、立山東面に分布する「御前沢雪渓(氷河)」、および剱岳東面に分布する「三の窓雪渓(氷河)」と「小窓雪渓(氷河)」の3つである。ELA決定モデルは地形と氷河流動のカップリングを基本原理としており、これまでの現地調査で概要が判明している基盤地形と表面形状について、モデル計算に適用可能とするための数値化作業を行った。また、氷体底部の基盤地形は、アイスレーダー探査の結果を用いて数値化した。<br>4.計算条件<br> 現段階では、入力データの整備が完了した段階であり,今後,順次,底面滑りの有無や,側壁の効果などの条件を変えながら,複数の条件設定で計算を行い,比較検討していく予定である.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390845712971805568
  • NII Article ID
    130007411990
  • DOI
    10.14866/ajg.2018s.0_000142
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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