流通形態が異なる国産イカの環境負荷

  • 永島 楓太
    東京海洋大学大学院 食機能保全科学専攻
  • 鈴木 徹
    東京海洋大学学術研究院 食品生産科学部門
  • 渡辺 学
    東京海洋大学学術研究院 食品生産科学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Environmental Load of Domestic Squid Distribution with Various Conditions
  • リュウツウ ケイタイ ガ コトナル コクサン イカ ノ カンキョウ フカ

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抄録

食品分野におけるLCAは、一般の工業製品に比較するとまだ研究例が十分に多いとは言い難い。中でも水産業に関する研究は少なく、特に流通工程までを含めた研究はあまり例がない。そこで本研究では、水産物の中でも多様な方法で流通されるイカの環境負荷を定量評価することを目的とした。イカの利用法は多岐に渡り、それに応じて様々な漁獲方法、流通形態が用いられる。例えば、活造りであればイカ釣り漁と活魚輸送、乾製品等の加工原料ならば定置網漁と凍結輸送、という具合である。漁獲方法と流通形態を様々に組み合わせて、青森県八戸港から東京築地市場へ輸送されるまでのイカの単位質量当たりのCO2排出量を計算した。その結果、活魚輸送とイカ釣り漁業は環境への影響が非常に大きく、逆に凍結輸送と定置網漁業は環境負荷が小さいことが判った。また凍結流通については、さらに詳しく、様々に条件を変えた場合の計算を行った。この計算結果と、流通工程の各種条件から予想されるイカの品質について考察した結果、イカの流通を真にサステナブルとするためには、環境負荷だけでなく品質も考慮すべきであることが示唆された。

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参考文献 (15)*注記

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