凝固異常症を見逃さないための検査システムの改善―検査室内の連携により発見できた後天性血友病Aの1例を経験して―
書誌事項
- タイトル別名
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- Improvement of clinical test system so as to not overlook thrombotic disorders: A case of acquired hemophilia A found by intralaboratory cooperation
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抄録
<p>後天性血友病AはAPTT延長を契機に見出されることが多いが,今回我々は生理検査室からの一報により診断に至った症例を経験した。症例は80歳代男性,他院より粟粒結核で当院へ転院し治療中であった。広範な皮下出血が出現しエコー検査を行ったが異常は無く,生理検査技師より相談を受けた。血小板数は正常範囲であり,主治医に凝固検査の提出を依頼した結果,APTT 110.6秒,クロスミキシングテストでは遅延型インヒビターパターンを示し,さらに第VIII因子活性が1%以下で,第VIII因子インヒビターも検出されたため,後天性血友病Aと診断された。しかし今回皮下出血をきたす1ヶ月前の検査でAPTT延長を認めており,その時点で精査をしていればさらに早期に発見できた可能性があった。そこで凝固異常症を見落とさないために,異常値を検査システムの画面上目立つようにし,複数人の技師が確認できるよう,改善を行った。本症例は検査部からの働きかけで後天性血友病Aと診断され,致死的な出血を回避し寛解に至ることができた。今後も検査部内で連携を図り,臨床に貢献できるよう努めていきたい。</p>
収録刊行物
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- 医学検査
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医学検査 67 (4), 554-557, 2018-07-25
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845712977622912
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- NII論文ID
- 130007420878
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- ISSN
- 21885346
- 09158669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可