マイクロサンプリング法による頻回採血の妊娠ラットおよび胚・胎児発生に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of capillary microsampling on dams and embryo-fetal development in rats
抄録
<p>従来,げっ歯類を用いた毒性試験では毒性評価主群に加え,TKサテライト群を設定して曝露評価を行ってきた.近年,高感度の分析機器の登場により,より少ないサンプルで薬物濃度を測定することが可能になり,弊社においてもげっ歯類の探索的一般毒性試験にはマクロサンプリング(MS)法を標準的に適用している.しかしながら,より多くの動物を使用するGLP試験,中でも医薬品の非臨床安全性試験で使用する動物の半数を使うとされる生殖発生毒性試験への適用事例は少ない.そこで,妊娠ラットの器官形成期に少量頻回採血を適用した場合の母動物及び胚・胎児への影響について検討した.妊娠ラットへのMS適用については,山内らにより既に報告がなされているが[1],採血保定時の母動物への負荷・ストレスを軽減させるために尾静脈からの採血を試みたので,動物数削減に向けたさらなる判断材料のひとつとして紹介する.</p><p>SD系ラット(10例/群,対照群及び採血負荷群)の妊娠6日から17日に媒体を経口投与し,一般状態,体重及び摂餌量を計測した.採血負荷群では,妊娠6日及び妊娠17日を起点として各6回,1回あたり50μLを尾静脈より頻回採血した.妊娠20日に帝王切開し,胚・胎児の観察を行うとともに,母体血を用いて血液学的検査及び血液化学的検査を行った.摘出した生存胎児全例について骨格標本を作製し,実体顕微鏡下で観察した.</p><p>その結果,妊娠6日の採血後に一過性の体重増加量・摂餌量の変動がみられたが,血液学的検査,血液化学的検査,帝王切開時検査及び胎児骨格標本検査において,対照群と採血負荷群で各種パラメータに相違は認められず,妊娠ラットを用いた胚・胎児試験においても毒性評価主群に少量頻回採血を適用することは可能であると考えられた.</p><p>[1] 山内 他., 武田薬品工業株式会社,第57回日本先天異常学会年会(P-48)</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 45.1 (0), P-252-, 2018
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845712981961984
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- NII論文ID
- 130007432669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可