甲状腺手術野で局所散布したアドレナリンによる循環動態への影響と血中濃度の推移

  • 末竹 荘八郎
    国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院麻酔科
  • 渡邊 至
    国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院麻酔科

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タイトル別名
  • Effect of Localized Surgical Use of Adrenaline on Circulatory Dynamics and Changes in Adrenaline Blood Concentration:A Case Report of Thyroid Surgery

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抄録

<p>アドレナリンは手術において,止血による術野確保を目的として,広く使用されている.しかし,不整脈や一過性の頻脈,高血圧,肺水腫,心筋症をきたすなど,さまざまな合併症が報告されている.今回,甲状腺手術において,間欠的な希釈アドレナリン液の術野散布および浸透ガーゼを用いた圧迫止血が行われた症例において,術中の循環動態およびアドレナリンの血中濃度の推移を測定した.術野での局所散布使用であっても,循環動態の変化に比較して,アドレナリンの血中濃度は高度にかつ持続的に上昇していることが確認された.血流が豊富な術野でのアドレナリン使用は,組織内への注入がなくても容易に血中に移行するため注意を要すると思われた.</p>

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