幼若血小板比率の継時的測定が臨床上有用であったTAFRO症候群

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical significance of chronologic immature platelet fraction analysis in TAFRO syndrome
  • 症例報告 幼若血小板比率の継時的測定が臨床上有用であったTAFRO症候群
  • ショウレイ ホウコク ヨウジャク ケッショウバン ヒリツ ノ ケイジテキ ソクテイ ガ リンショウ ジョウ ユウヨウ デ アッタ TAFRO ショウコウグン

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説明

<p>TAFRO症候群は血小板減少を特徴とするがその機序は不明である。幼若血小板比率(immature platelet fraction, IPF)は血小板減少症の鑑別に有用とされるが,TAFRO症候群での意義は報告されていない。今回,血小板減少を伴わないIPF高値が診断の契機となり,その後IPFを継時的に測定したTAFRO症候群を経験した。65歳男性が発熱で入院した。脾腫とリンパ節腫脹を認め,腎障害と体液貯留が急激に悪化したためステロイド治療を開始した。血小板数は15万/µlと正常だがIPFは18.2%と高値のため血小板産生異常を疑い,骨髄検査でTAFRO症候群が示唆された。治療開始後に血小板は減少し,治療抵抗性のためrituximabを投与した。全身状態は改善し,血小板数は約1ヶ月間3万/µl前後で推移しその後回復傾向となった。血小板数の増加に先行してIPFは低下し始めた。本症例は血小板減少の出現前にIPF高値を示し,治療経過においてIPF低下は血小板回復に先行した。IPFはTAFRO症候群の早期診断,治療効果予測に有用な可能性がある。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (8), 991-996, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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