すり鉢様形状の培養基板面上で培養された細胞が示す応答

DOI
  • 金森 宗一郎
    名古屋大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻
  • 前田 英次郎
    名古屋大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻
  • 村瀬 晃平
    名古屋大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻
  • 松本 健郎
    名古屋大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Response of cells cultured on the substrate with conical inner surface

抄録

<p>培養基板面の3D形状が細胞挙動に影響を与えることが知られているが,すり鉢様の円錐内面が細胞挙動に与える影響は調べられていない.我々は,骨単位内部の骨芽細胞の接着面がすり鉢様形状であると考えられていることなどから,この形状が細胞にとって何らかの意味があるのではないかと考え,培養基板上のすり鉢様形状が細胞に与える影響を調べた.すり鉢様形状を有する培養基板はPDMSを成型することで作製した.細胞接着を促進するため,すり鉢様形状の部分のみにフィブロネクチンをコーティングした.間葉系細胞としてマウス頭頂骨由来骨芽細胞様細胞MC3T3-E1,上皮細胞としてマウス血管内皮腫様細胞株F-2を使用した.これらの細胞の核を染色し,30分毎に24時間撮影した.核の移動速度を算出し,円周方向成分と半径方向成分に分解した.頂角が大きい時,細胞は主に円周方向に移動したが,頂角が小さくなると半径方向への移動が優位になった.細胞種による差はなかった.しかし,細胞が頂角を感知しているとは考えにくい.そこで,すり鉢様形状の曲率が細胞挙動に影響を与えていると考え,細胞遊走に対する局所の曲率半径の影響を調べた.ここで,曲率半径として母線に垂直な断面における曲率半径を用いた.細胞移動速度は曲率半径との間に有意な相関を示した.この結果から,すり鉢様形状の局所の曲率半径が細胞遊走に影響を与える可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual56 (Abstract), S33-S33, 2018

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713000427520
  • NII論文ID
    130007483889
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual56.s33
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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