マメハモグリバエとトマトハモグリバエの産卵および発育に対する3種寄主植物の適合性

書誌事項

タイトル別名
  • Host suitabilities of three plant species for female oviposition and larval survival of Liriomyza trifolii and L. sativae
  • マメハモグリバエ ト トマトハモグリバエ ノ サンラン オヨビ ハツイク ニ タイスル 3シュ キシュ ショクブツ ノ テキゴウセイ

この論文をさがす

説明

トマトハモグリバエ(Ls)およびマメハモグリバエの交尾率,産卵雌率,産卵数,幼虫生存率をキュウリ,インゲンマメおよびミニトマトの3種植物上で比較した.マメハモグリバエについては1997年に指宿市の施設栽培のキクから採集した幼虫から7年間累代飼育した個体群(マメハモグリバエ・キク由来累代個体群:以下,LtCr)および2004年4月にトマトハモグリバエが混発する指宿市の施設栽培のナスから採集した幼虫から約5ヵ月累代飼育した個体群(マメハモグリバエ・ナス由来野生個体群:以下,LtSw)を用いて個体群間の差異を考慮した.その結果,交尾率では2種3個体群のハモグリバエすべてが,いずれの植物上でも高く,交尾場所として拒否される寄主植物はなかった.キュウリ上でLtSwの産卵雌率は36%であり,ミニトマト上でLsおよびLtCrの産卵雌率はそれぞれ50%および64%となり,交尾率より有意に低く,産卵を回避する個体がいることが示唆された.これらの植物上での幼虫生存率はインゲンマメとミニトマト上では2種3個体群とも85%以上であったが,キュウリ上のLtCrの幼虫生存率は0%であった.2種3個体群のハモグリバエの産卵数を寄主植物別に比較すると,キュウリおよびミニトマト上では有意な差が認められなかった.また,Lsでは,48時間ミニトマトあるいはキュウリで産卵および摂食吸汁した後インゲンマメ上に移すと産卵数が少なくなった.同様にLtCrではキュウリからインゲンマメに移した場合に産卵数が少なくなった.このことより,寄主植物上における摂食はその後の産卵数に影響を与えることおよびその影響がハモグリバエの種や個体群によって異なることが示唆された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (17)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ