低栄養による生殖機能抑制における室傍核ダイノルフィンAニューロンの関与の可能性

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タイトル別名
  • Paraventricular dynorphin A neurons may mediate the malnutrition-induced suppression of reproductive function in the female rat

抄録

<p>哺乳類の生殖機能は,低栄養により抑制される。これは視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)とその下流にある下垂体からの性腺刺激ホルモンのパルス状分泌が抑制されることに起因する。GnRH/性腺刺激ホルモンのパルス状分泌は視床下部弓状核(ARC)に局在するキスペプチンニューロンにより制御されると考えられている。雌ラットにおいて,48時間の絶食負荷や,グルコース利用阻害剤である2デオキシグルコース(2DG)の静脈内あるいは脳内投与により,黄体形成ホルモン(LH)のパルス状分泌が抑制される。本研究では,低栄養のシグナルがどのような神経系を介してGnRH/LHのパルス状分泌を抑制するかを解明することを目的とし,視床下部室傍核(PVN)に局在するダイノルフィンA(Dyn)が,低栄養によるLHパルス抑制を仲介する可能性を検討した。正常な性周期を示した8週齢の成熟Wistar-Imamichi系雌ラットを用いた。卵巣除去を施し,低濃度の17β-エストラジオール含有シリコンチューブを皮下に留置した。2DGを第4脳室(4V)内に投与した群と,対照群として溶媒投与群を設けた。卵巣除去とエストラジオール処置を施した1週間後に,2DGまたは溶媒を第4脳室に投与し,投与1時間後に4%パラホルムアルデヒドを用いて還流固定を施し,脳を採取した。これらのラットの脳切片を用い,蛍光二重標識法in situ hybridizationにより,PVNにおいてDyn遺伝子(Pdyn)とニューロン活性化マーカーであるc-Fos遺伝子(fos)を可視化し,これら2つ遺伝子の共存細胞数を比較した。その結果,2DG投与群のPdynとfosの共存細胞数は対照群に比べで有意に増加した。以上の結果から,低栄養時には,PVNを起始核とするDynニューロンが,ARCのキスペプチンニューロンの活動の抑制に関与し,LHパルスを抑制する可能性が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713001235456
  • NII論文ID
    130007488818
  • DOI
    10.14882/jrds.111.0_or2-24
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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