日本において鳥類の巣・ペリットおよび肉食哺乳類の糞から発生したヒロズコガ(鱗翅目,ヒロズコガ科)

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タイトル別名
  • Tineidae (Lepidoptera) from birds' nests and pellets, and carnivore feces in Japan
  • ニホン ニ オイテ チョウルイ ノ ス ペリット オヨビ ニクショク ホニュウルイ ノ フン カラ ハッセイシタ ヒロズコガ リンシモク ヒロズコガカ

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抄録

2002年から2006年にかけて,日本各地の鳥類の巣・ペリットおよび哺乳類の糞を調査し,ヒロズコガ科ヒロズコガ亜科に属する4種の蛾の発生を確認した.イガが島根県出雲市と大阪府河内長野市のツバメの巣,ウスグロイガが大阪府寝屋川市のハイタカのペリット,マエモンクロヒロズコガが愛媛県宇和島市のシジュウカラの巣,長野県飯綱町のノスリのペリット,小笠原諸島父島のイエネコの糞および鹿児島県奄美大島のイエネコかイヌの糞,アトキヒロズコガが和歌山県橋本市の雑木林に設置したハイタカのペリットを用いたトラップから羽化した.本報告は,日本においてシジュウカラの巣,鳥類のペリットおよび肉食哺乳類の糞から発生した蛾の初めての記録となった.幼虫はいずれも巣・ペリットおよび糞中のケラチン源(羽毛,毛など)を摂食していると考えられた.今回の調査結果と文献記録から市街地に造られたスズメ,コシアカツバメ,ツバメとカワラバトの巣が毛糸や毛織物害虫のイガの野外における重要な発生源であり,こられの巣からイガが家屋内に侵入することが推察された.

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参考文献 (33)*注記

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