ディープラーニング技術による牛体外受精卵大量生産のためのAI解析クラウドシステムの開発

書誌事項

タイトル別名
  • AI analysis cloud system for large-scale bovine in-vitro fertilization embryo production by utilizing deep learning technologies

説明

<p>【目的】タイムラプス観察装置による受精卵の連続観察撮影と,ディープラーニング技術による受精卵の認識解析,動き解析,形態解析,数値解析により,定量的,客観的な受精卵の発育段階や品質状態の解析や評価が可能になりつつある。今回,我々は,ディープラーニング技術を利用して,1細胞,2細胞,3細胞以上の初期の発育段階の自動解析と,桑実胚,初期胚盤胞,胚盤胞,拡張胚盤胞の後期の発育段階と,その品質状態の自動解析を,牛体外受精卵AI解析クラウドシステムを利用して行った。【方法】本システムは,タイムラプス観察装置,専用培養ディッシュ,AI解析クラウドソフトウエア,Webダッシュボードで構成される。牛体外受精卵は,専用個別培養ディッシュに最大168個が配置され,タイムラプス観察装置で,最大6ディッシュ(1008個),20分間隔,8日間の連続撮影を行った。撮影された受精卵画像は,クラウドストレージに自動転送され,AI解析ソフトウエアにより自動的に各受精卵画像のID番号管理,画像処理,ディープラーニング解析,解析結果のデータベース化が行われる。【結果】受精卵の発育段階,品質状態の形態解析は,牛体外受精卵画像に,発育段階,品質状態の所見(教師)データを胚培養士によりラベリングして,これを基に,教師データ付きディープラーニング解析アルゴリズムを開発した。この受精卵形態解析により,受精卵の初期(1細胞,2細胞,3細胞以上)の発育段階と,後期(桑実胚,初期胚盤胞,胚盤胞,拡張胚盤胞)の発育段階と品質状態を自動解析することが可能となった。これら受精卵の発育段階,品質状態の自動解析により,初期発育段階の卵割現象,例えば,第1,第2卵割時間や,リバースクリベージやダイレクトクリベージなどの異常卵割の有無,後期発育段階の出荷発育時期や出荷品質評価などが可能となる。特に,受精卵の卵割時間や,異常卵割は,その受精卵の移植後の妊娠率との相関が報告されており,今後,本解析システムにより牛受精卵の卵割現象と妊娠率との関係を明らかにしていく。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713002665088
  • NII論文ID
    130007486844
  • DOI
    10.14882/jrds.111.0_or1-7
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ