眼症状を初発とし,クリーゼをきたした全身型重症筋無力症の2例
書誌事項
- タイトル別名
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- Two Cases of Myasthenia Gravis that Initially Presented with Eye Symptoms and Resulted in Myasthenic Crisis
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説明
眼症状を初発とし,精査中,治療開始後にクリーゼをきたした高齢者の全身型重症筋無力症(MG)2例の報告.症例1は左眼の眼瞼下垂,滑車神経麻痺にて発症した.AChR抗体陽性で,頸筋の筋力低下をきたし,全身型MGの診断にて,ピリドスチグミン臭化物内服開始となった.内服開始から3日目に呼吸困難をきたし,クリーゼを発症,救急外来受診し緊急入院となった.ステロイド療法,免疫抑制剤,免疫グロブリン静注療法,単純血漿交換療法で,全身症状,眼症状は改善した.症例2は両眼の眼瞼下垂,左眼の動眼神経不完全麻痺にて発症した.AChR抗体陽性で,waningが認められ,全身型MGと診断した.胸腺腫精査のため造影CTを施行したが,施行後から呼吸困難を訴え,クリーゼを発症した.ステロイド療法,免疫抑制剤,免疫グロブリン静注療法,単純血漿交換療法で,全身症状,眼症状は改善した.高齢者のMGは増加しており,高齢者の原因不明の眼瞼下垂や眼球運動障害を診た際には,常にMGを念頭に置かなければならない.MGは症状が急速に進行しクリーゼをきたす症例がある.またMG患者に造影剤を使用するときは,慎重に投与しなければならない.
収録刊行物
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- 神経眼科
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神経眼科 35 (3), 330-336, 2018-09-25
日本神経眼科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713012495744
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- NII論文ID
- 130007497120
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- ISSN
- 21882002
- 02897024
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可