社会的サポートネットワークの構築につながる高齢者のエンパワメント指標の試案

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タイトル別名
  • The Development of Assessment Guideline of Empowerment of Elderly Constructing Cultural Mutually Supportive Caring Network in Community
  • シャカイテキ サポート ネットワーク ノ コウチク ニ ツナガル コウレイシャ ノ エンパワメント シヒョウ ノ シアン

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抄録

地域の文化に沿った介護予防支援を明らかにするために,相互的な社会的サポートネットワークの構築につながる高齢者のエンパワメント状況を把握する指標を試案しその活用可能性を明らかにする目的で,75歳の高齢者を対象に,他者との交流状況等を調査した。調査対象はZ県A市に居住する調査年中に満75歳に達する者で,日常生活自立している者。調査方法は家庭訪問による自作質問紙による面接調査。調査時期は2006年9月。<br> 男性38名,女性46名の計84名と面接した。複合家族41名,独居23名,夫婦のみ20名。他者との交流実態を,交流目的が,私的あるいは社会的なニーズの充足か,生活に必須なニーズの充足か,付加価値的なものかの2側面に沿って,Ⅰ:私的かつ生活必須的ニーズを満たすための交流,Ⅱ:社会的かつ生活必須的ニーズを満たすための交流,Ⅲ:私的かつ付加価値的ニーズを満たすための交流,Ⅳ:社会的かつ付加価値的ニーズを満たすための交流の4つに分け類型化した結果,7つのパターンに分かれた。<br> 約3割が,社会的なニーズ充足目的での交流を持っており,コミュニティエンパワメントの担い手となっていた。要介護のリスク把握だけでなく,社会的サポートネットワークとそれに伴うエンパワメントの観点からの介護予防のニーズ査定が必要である。今回示した交流目的の性質の類型化によるパターンは査定方法のひとつとして活用可能と考える。

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