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- 好井 健太朗
- 北海道大学 大学院獣医学研究院 公衆衛生学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- Tick-borne encephalitis
- ダニ バイカイセイ ノウエン ウイルス
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説明
ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)は,フラビウイルス科フラビウイルス属に属する人獣共通感染症の原因ウイルスで,自然界ではマダニによって媒介される.TBEVは野鼠等の野生動物とマダニの間で感染環が維持されているが,感染マダニの吸血により人を含めた幅広い動物種に感染し,時には脳炎といった致死率の高い重篤な症状を示す.ダニ媒介性脳炎(TBE)はユーラシア大陸の広域で発生しており,年間1万人前後の患者が発生していて,患者報告地域も拡大している.日本においては,1993年に北海道南部において,国内初のTBE確定診断症例が発生した.その後,20年以上TBE患者の発生の報告はなかったが,2016年と2017年に相次いで2例目から4例目までの患者が北海道で発生した.我々はTBEV感染に対する診断系を確立し,継続的な血清疫学調査を実施しており,北海道の広域に流行巣が分布している可能性を示している.また北海道以外においても,TBEVもしくは近縁のダニ媒介性フラビウイルスの感染を疑われる事例が示されている.<BR> 本稿では,TBEVの一般的な情報を解析するとともに,我々が行ってきたTBEの診断法やそれを応用した疫学調査やTBEVの病原性に関する研究を紹介し,TBE流行に関する課題を考察したい.
収録刊行物
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- ウイルス
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ウイルス 67 (2), 143-150, 2017-12-25
日本ウイルス学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713014077184
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- NII論文ID
- 40021454106
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- NII書誌ID
- AN00018808
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- ISSN
- 18843433
- 00426857
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- NDL書誌ID
- 028799553
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- PubMed
- 30369538
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可