近赤外分光法における計測プローブの角度変化によるアーチファクト

DOI
  • 神谷 修平
    東京湾岸リハビリテーション病院
  • 武田 湖太郎
    国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所脳情報研究所 国立病院機構村山医療センター臨床研究センター
  • 山田 亨
    産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門
  • 梅山 伸二
    産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門
  • 近藤 国嗣
    東京湾岸リハビリテーション病院
  • 大高 洋平
    東京湾岸リハビリテーション病院 国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所脳情報研究所
  • 大須 理英子
    国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所脳情報研究所

抄録

近赤外分光法(NIRS)はその低拘束性から, さまざまな動作中の脳機能計測が可能とされるが, 計測時におけるプローブの頭皮に対する角度の変化により脳活動とは無関係なNIRS信号を計測してしまうことがある. 本研究は, プローブの角度変化とそれに依存してNIRS信号に混入するアーチファクトの関係について検討した. 光散乱板上でNIRSの送光・受光プローブを傾斜させ, NIRS信号として計測されるヘモグロビン濃度長変化量(Δ[Hb])を計測した. プローブに三次元動作解析装置用マーカを貼付して傾斜角度をNIRS計測と同時に計測した. またヒトを対象とし, 光ファイバへかかるテンションがΔ[Hb]へ及ぼす影響を光ファイバ固定の有無で比較した. 送光・受光プローブ共に, 傾斜角度に依存したΔ[Hb]の変化を示し, 傾斜角度とΔ[Hb]は有意に相関した(p<.01). ヒトを対象とした計測においては, 光ファイバを固定しなかった場合は固定した場合よりもテンションの影響を受けた. 傾斜角度が1度程度でも脳活動に依存した変化として報告されているΔ[Hb]と同等の値が計測された. プローブの動きによりアーチファクトが多大に混入する可能性があるため, プローブの固定に注意が必要であることが示された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713014661632
  • DOI
    10.24799/jrn.111212
  • ISSN
    24323489
    13490044
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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