外国出身看護師の医療現場における文化的対応に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on Foreign Nurse's Cultural Recognition at Medical Place
  • ガイコク シュッシン カンゴシ ノ イリョウ ゲンバ ニ オケル ブンカテキ タイオウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p> 本研究は,日本の病院に勤務している外国出身看護師6名を対象とし,日本の保健医療現場に対する認識と,その認識にかかわる文化的背景を国民文化並びに組織文化の視点から明らかにすることを目的に行った。質的帰納的分析法を用いて分析した結果,【組織の人間関係の文化的な認識】,【国民文化を理解したうえでの看護技術の遂行力の獲得】,【組織文化への適応能力の獲得】をしていることが明らかになった。外国出身看護師は,出身国と異なる国での異文化体験,すなわち国ごとに異なる国民文化の違いを体験することに加えて,各々の病院ごとに異なる職場での異文化体験,すなわち組織ごとに異なる組織文化の違いを体験することになる。国民文化,組織文化の双方に現れていることから,看護が患者との人間関係だけではなく,職場での他の看護師や医師などとの円滑な人間関係が重要であると認識していることが読み取れる。また,組織文化に対して積極的に同化しようとする傾向が見られる。組織文化への同化は,暗黙のうちに互いの業務の内容を理解することにつながり,同化によって自分自身の活動を円滑に行えるようになる。そのため,医療現場では,外国出身看護師と日本人の同僚がお互いの国民文化や組織文化を理解することによって,同僚同士の情報共有や意思確認を促進し医療ミスを防ぐ上で大いに役立つと考える。</p>

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