臀部に発症した Merkel 細胞癌の 1 例

  • 一木 稔生
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 辻 学
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野 九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センター
  • 永江 航之介
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 和田 麻衣子
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 増田 禎一
    天神形成外科クリニック
  • 永瀬 浩太郎
    佐賀大学医学部皮膚科学教室
  • 内 博史
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 古江 増隆
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野 九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Merkel Cell Carcinoma Arising on the Buttock
  • 症例 臀部に発症したMerkel細胞癌の1例
  • ショウレイ デンブ ニ ハッショウ シタ Merkel サイボウガン ノ 1レイ

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抄録

<p>81 歳,女性。明らかな外傷の既往なく,約 1 年前に左臀部の皮下結節を自覚した。急激に増大したため近医を受診し,全切除術を施行された。病理組織学的所見では,真皮深層から脂肪織にかけて小型類円形の腫瘍細胞が索状に増殖し,腫瘍巣を形成していた。核は大型で多数の核分裂像を伴っていた。免疫組織化学的所見では,腫瘍細胞は抗サイトケラチン 20 抗体,抗 chromogranin A 抗体に陽性であり,Merkel 細胞癌と診断され,当院当科へ紹介された。PET-CT による全身検索では明らかな悪性腫瘍は認めず,左臀部の拡大切除を施行した。6 カ 月後,左鼠径部リンパ節に腫脹が出現し,リンパ節生検にて Merkel 細胞癌のリンパ節転移と診断し,左鼠径リンパ節郭清を施行した。切除標本中のリンパ節には明らかな転移は認めず,後療法は施行せずに経過観察中である。Merkel 細胞癌の好発部位は主に露光部(顔面・四肢)とされ,臀部に生じた例は稀と考えられる。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 80 (3), 219-223, 2018-06-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (7)*注記

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