自然の「力」への憧憬、社会の「平凡と俗悪」への反逆

書誌事項

タイトル別名
  • Enchanted by the “Freedom” of Nature, Angered by the “Vulgarity” of Society: An Analysis of Maxim Gorky's Influence in Ishikawa Takuboku's <i>Drifting</i>
  • 自然の「力」への憧憬、社会の「平凡と俗悪」への反逆 : 石川啄木「漂泊」にみるゴーリキー文学の影響
  • シゼン ノ 「 チカラ 」 エ ノ ドウケイ 、 シャカイ ノ 「 ヘイボン ト ゾクアク 」 エ ノ ハンギャク : イシカワ タクボク 「 ヒョウハク 」 ニ ミル ゴーリキー ブンガク ノ エイキョウ
  • ――石川啄木「漂泊」にみるゴーリキー文学の影響――

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説明

<p>石川啄木の様々な文章で言及される外国の文学者や思想家のなかでロシア作家マクシム・ゴーリキーの名は特別な地位を占める。僅か一六歳にゴーリキーに出会って以来、その作品の読後感を率直に書き綴ったり、作中に描かれる人物と自分自身の境遇を引き比べてみたり、その思想について友人らと熱く語り合うなど、啄木は短い文学生涯を通してゴーリキーの文学に親しみつづけた。北海道に渡った一九〇七年、ゴーリキーの「高俊偉大なる放浪者哲学」への関心は啄木の中でとくに強かったと思われる。本論では函館で書かれた短編「漂泊」を取り上げ、作品冒頭から展開される海の描写や主人公の後藤肇の人物像はゴーリキーの文学を強く意識して構想されたことを実証し、啄木文学における〈漂泊性〉の一つの原点はゴーリキーの作品にあることを明らかにした。</p>

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