蜂窩織炎/丹毒の臨床,検査値経過に関する統計的研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Statistical Study about Clinical and Laboratory Trends in Cellulitis/Erysiperas
  • 統計 蜂窩織炎/丹毒の臨床,検査値経過に関する統計的研究
  • トウケイ ホウカシキエン/タンドク ノ リンショウ,ケンサチ ケイカ ニ カンスル トウケイテキ ケンキュウ

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説明

<p>蜂窩織炎/丹毒の臨床経過および諸検査値の推移の予測を目的として統計的検討を行った。若年者では男性の割合が,高齢者では女性の割合が高かった。未治療期間の CRP 値はその期間が長い症例ほど高値になり,白血球数(WBC 数)と体温は逆に低値になる傾向があった。発症早期に治療を開始した症例では CRP 値はいったんピークを示して低下する傾向があり,WBC 数と体温は発症時期に関わらず治療開始後早期に低下する傾向を示した。CRP が 2 mg/dl 以下に低下するまでには治療開始から 8.8±6.0 日を要し,WBC 数と体温が正常化するまでには各々 4.9±5.9 日,5.7±5.5 日を要した。最高 CRP 値および WBC 数と,それらの低下までの期間には有意かつ強い正の相関があった。最高 CRP 値が高いと治療期間も延長し,プロカルシトニン値も CRP 値の低下までの期間に強く影響した。抗炎症剤の継続投与は最高体温を軽度低下させたがその他の検査値推移には影響しなかった。治療期間,病変面積および CRP,WBC 数,体温の最高値や,低下に要した日数が全体の分布から高値に逸脱した症例(逸脱例)は,それら以外の症例(通常例)よりも高齢でプロカルシトニン値が高い傾向があり,敗血症に至った症例が多かった。一方,検査値が正常範囲内で推移した症例(正常値例)は通常例と比較して有意差のある臨床的項目はなかったが,全体の 1/4 を占めていた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 80 (3), 231-238, 2018-06-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

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