薬剤と小腸粘膜障害,小腸出血との関連:多施設カプセル内視鏡研究
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- 新倉 量太
- 東京大学 医学系研究科消化器内科
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- 山田 篤生
- 東京大学 医学系研究科消化器内科
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- 馬來 康太郎
- 日本医科大学 消化器内科
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- 中村 正直
- 名古屋大学大学院 医学研究科消化器内科
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- 渡部 宏嗣
- 若宮渡部医院
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- 藤城 光弘
- 東京大学 医学系研究科消化器内科 東京大学 医学部附属病院光学診療部
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- 岡 志郎
- 広島大学病院 内視鏡診療科
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- 江崎 幹宏
- 九州大学 病態機能内科学
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- 藤森 俊二
- 日本医科大学 消化器内科
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- 中島 淳
- 横浜市立大学大学院 医学研究科肝胆膵消化器病学
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- 大宮 直木
- 藤田保健衛生大学 消化器内科
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- 松本 主之
- 岩手医科大学 内科学講座消化器内科消化管分野
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- 田中 信治
- 広島大学病院 内視鏡診療科
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- 小池 和彦
- 東京大学 医学系研究科消化器内科
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- 坂本 長逸
- 日本医科大学 消化器内科
書誌事項
- タイトル別名
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- ASSOCIATIONS BETWEEN DRUGS AND SMALL-BOWEL MUCOSAL BLEEDING: MULTICENTER CAPSULE-ENDOSCOPY STUDY
- Associations between drugs and small‐bowel mucosal bleeding: Multicenter capsule‐endoscopy study
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説明
<p>【背景・目的】いくつかの薬剤は小腸粘膜障害を引き起こすことが知られているが,これらの粘膜障害が小腸出血と関連しているかについては明らかではない.本研究は薬剤と小腸粘膜障害の関連と小腸粘膜障害と小腸出血の関連を検討することである.</p><p>【方法】2010-13年に小腸カプセル内視鏡検査が行われた患者を後ろ向きに解析した.薬剤使用,併存疾患,喫煙,飲酒を評価した.小腸粘膜障害に対する補正オッズ比と信頼区間,小腸出血に対する補正オッズ比と信頼区間を各々算出した.</p><p>【結果】850人を解析した.平均年齢は64歳,男性544人(64%)であった.小腸粘膜障害患者60人と小腸粘膜障害を認めない患者705人の比較において,NSAIDs使用者は非使用者と比べて小腸粘膜障害のリスク(補正オッズ比1.8)の増加に有意に関連していた.小腸粘膜障害患者において,小腸出血患者85人と小腸出血を認めない患者60人の比較において,NSAIDsを含むすべての薬剤は小腸出血のリスクの増加と関連を認めなかった.</p><p>【結論】NSAIDsは小腸粘膜障害のリスクを有意に増加させたが,これらの薬剤と小腸出血の間には有意な関連は認めなかった.</p>
収録刊行物
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- 日本消化器内視鏡学会雑誌
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日本消化器内視鏡学会雑誌 60 (11), 2428-2439, 2018
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会