対馬暖流の蛇行発達に対する定在ロスビー波の寄与

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タイトル別名
  • The contribution of standing Rossby waves to the development of the Tsushima Warm Current-meandering
  • ツシマ ダンリュウ ノ ダコウ ハッタツ ニ タイスル テイザイロスビーハ ノ キヨ

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説明

<p>対馬暖流の準定常な流れパターンは蛇行流である。この蛇行流の経年的な発達・衰退の物理メカニズムを調べるために,対馬暖流を想定した東向流で駆動される惑星β平面線形1.5層水路モデルを用いた。このモデルで表現される蛇行流は,西方伝播するロスビー波の位相速度と東向流の移流速度がバランスした定在ロスビー波の性質をもつ。東向流を一定に与えた定常状態において,有限な日本海東西スケールにより,存在し得る定在ロスビー波の東西波数は制限される。それゆえ,東向流に依存した断続的な振幅増加が推測される。時間変化する東向流に対しては,ロスビー波の分散性の違いによって東向流の増加期と減少期では非対称な応答を示す。このような定在ロスビー波理論で対馬暖流の準定常な流れパターンが表現できるか確かめる為,衛星による海面高度偏差データと推測した東向き表層流データを用いて,蛇行する対馬暖流の経年変化を調べた。まず,18年平均場で韓半島の東,隠岐諸島の北,能登半島の東の3 海域に暖水域をもつことが確認され,次に,1993年からの18年間で,蛇行流の突然の発達・衰退が約8年の間隔で3~4回繰り返していることがわかった。このような蛇行流発達の様子は前述のモデルを用いてほぼ再現することができた。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 24 (1), 29-47, 2015-01-15

    日本海洋学会

参考文献 (9)*注記

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