高齢肺炎患者のADL低下に影響を与える要因の検討

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タイトル別名
  • The Factors Affecting Decline in ADL Level in Elderly Patients with Acute Pneumonia

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説明

本研究の目的は,高齢肺炎患者の入院期間におけるADLの低下,退院時の転帰に影響を与える要因を明らかにすることである。対象は75歳以上の高齢肺炎患者53例(平均年齢81.0±5.8歳,男性34例,女性19例)である。ADLは4段階に分類して評価した(グレードⅠ : 寝たきり,グレードⅡ : セルフケア介助・歩行介助,グレードⅢ : セルフケア自立・歩行介助,グレードⅣ : セルフケア自立・歩行自立)。ADL低下に影響を与える要因の分析は,各因子をADLグレード間で比較して検討した。退院時ADLはグレードⅠ 8例(15%),グレードⅡ 11例(21%),グレードⅢ 9例(17%),グレードⅣ 25例(47%)であった。退院時転帰は自宅退院29例(55%),リハビリテーション目的転院17例(32%),長期療養目的転院7例(13%)であった。自宅復帰のためには少なくともセルフケアが自立している必要があった。またADL低下には,APACHE Ⅱスコア,安静臥床期間,経過中の精神症状及び誤嚥が影響を与えていた。ADLを低下させないためには肺炎治療の一環として,早期の離床と身体活動性の向上を確立していかなければならない。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 34 (1), 16-20, 2007-02-20

    一般社団法人日本理学療法学会連合

参考文献 (17)*注記

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