銀行部門の脆弱性と貸出行動――ダイナミックモデルによる分析

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  • ギンコウ ブモン ノ ゼイジャクセイ ト カシダシ コウドウ ダイナミック モデル ニ ヨル ブンセキ

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抄録

<p>本論文は,銀行の異時点間の最適化行動により導出された動学的なオイラー方程式を推定することにより,1990年以降における銀行部門の脆弱性と銀行貸出との関連を分析したものである.本論文による推定結果は,1996年9月以降において,銀行部門の脆弱性が貸出を抑制していたという仮説を支持している.さらに本論文では,推定結果を用いて,タイムスパンを四半期とするダイナミック・シミュレーションを行った.その結果,第一に,1998年第1四半期と1998年第3四半期において,いわゆる「貸し渋り」が発生していたこと,第二に,1998年第4四半期から1999年第1四半期にかけて,資本の増加による脆弱性の改善が貸出の落ち込みを緩和していたこと,第三に,1999年第2四半期以降の貸出の落ち込みは,脆弱性の悪化を反映しているものではないこと,を明らかにした.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 17 (0), 47-62, 2005-03-31

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

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