取締役会改革と企業価値の変化

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  • トリシマリヤクカイ カイカク ト キギョウ カチ ノ ヘンカ

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抄録

<p>会社法によりその権限が大幅に拡大されたことなどから,投資家は取締役会に注日するようになっている.本稿では社外取締役の登用・増員や取締役削減に焦点を当てて,取締役会改革と企業価値の変化の関係を実証分析により検証した.その結果,主に次の2点が明らかになっている.第一に,機関投資家の圧力ではなく,能動的に社外取締役を登用・増員した企業は,配当と自社株買いの和である総還元を同業他社より増加させることで企業価値を創造しているものの,それ以外の企業行動を媒介したり,直接的に作用する効果を通じては,例え独立した社外取締役であっても企業価値を毀損させる場合がある.第二に,執行役員制度を活用せずに取締役会を小規模化した企業は,それが機関投資家の圧力による場合は同業他社よりも配当を払い過ぎることに対してガバナンス効果を発揮し,企業価値を創造しているが,株主還元以外の企業行動や直接的に作用する効果においては,機関投資家による圧力だけでなく,企業が能動的に改革を進めた場合においても企業価値を創造している.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 28 (0), 45-67, 2010-09-30

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

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