正中菱形舌炎の1例

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  • Median rhomboid glossitis: Report of a case.

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説明

<p>われわれは, 食道悪性腫瘍にて入院し, 舌背中央部の腫瘤を担当医に指摘され, 精査のため受診した正中菱形舌炎の1例を経験したので報告する。</p><p>患者は55歳男性。2~3ケ月前, 鏡で見ていて舌が荒れているかと思ったことはあったが, 他には特に症状はなかった。初診時の口腔内所見としては, 舌背正中部の後方に楕円形の境界明瞭な隆起が認められ, その前後径は32㎜, 左右径16㎜と前後に長く, 最大隆起は約5mmであった。表面は舌乳頭を欠如し, くすんだ赤色を呈していた。更に同部は4~5個の腫瘤に分割された外観を呈し, それぞれの表面はやや凹凸不正であった。硬度は弾性硬で接触痛, 圧痛は認められず, 周囲に硬結は触知しなかった。</p><p>生検による病理組織像としては, 舌粘膜上皮は異角化ないし錯角化症を呈し強い棘細胞症がみられ, 一部にはかなり深層への粘膜上皮の陥入増殖像がみられた。上皮下組織には広汎な慢性炎性浸潤が存在していた。なお, 粘膜上皮の表層付近にカンジダが証明された。</p>

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