NTT ドコモの携帯電話におけるUI デザイン変遷(1)

書誌事項

タイトル別名
  • Transition of mobile phone UI design by NTT docomo(1)
  • NTTドコモの携帯電話におけるUIデザイン変遷(1)携帯電話の基本操作キー(10キー、発信キー、終了キー)の変容
  • NTT ドコモ ノ ケイタイ デンワ ニ オケル UI デザイン ヘンセン(1)ケイタイ デンワ ノ キホン ソウサ キー(10 キー 、 ハッシン キー 、 シュウリョウ キー)ノ ヘンヨウ
  • 携帯電話の基本操作キー(10 キー、発信キー、終了キー)の変容
  • Transformation of keypad design, 10keys, Send key and End key

この論文をさがす

説明

1987(昭和62)年に発売された携帯電話初号機は、通話用途中心の機器で重量は約900g であった。以降、携帯電話は持ち運びが容易となるよう小型化され多機能化する。通話に加え、メール、ウェブブラウズ、カメラ、テレビなど用途が拡大し、ユーザ・インタフェースが変化する。  本研究は、携帯電話のユーザ・インタフェースデザインの変遷を明らかにすることを目的とし、本論では基本操作キーの変容に着目する。調査対象は1987(昭和62)年から2015(平成27)年に発売された528 機種とする。初号機と最新機種を比較し、共通する基本操作キー(10キー、発信キー、終了キー)を抽出し、その変化に着目した。  ①発信キー・終了キーの10 キー上部配置、② 10 キー上のかな表記、③*キー上のドライブモード表記、④#キー上のマナーモード表記、の4 つの変化が確認できた。4 つの変化は最新機種で起きたのではなく、初号機から最新機種に至る過程で起きた。いずれも標準的なユーザ・インタフェースとなり最新機種に至ることが確認できた。  ①の初出は1994(平成6)年で、1996(平成8)年以降は全機種10 キー上部配置となる。要因は、画面を見て電話をかける操作手順(着信履歴から選んで発信など)における視点移動を小さくするためと推測する。  ②の初出は1995(平成7)年で、2000(平成12)年以降は全機種統一された。要因は、漢字ショートメール機能やi モードメール機能による文字入力頻度の増加であると推測する。  ③の初出は1998(平成10)年で、2009(平成21)年以降は全機種統一された。ドライブモード表記登場の要因はワンタッチ操作対応であり、*キー統一の要因はソフトウェア開発プラットフォームの共通化であると推測する。  ④の初出は1999(平成11)年で、2009(平成21)年以降は全機種統一された。マナーモード表記登場の要因は端末の差別化であり、#キー統一の要因はドライブモードに準じるためと推測する。  新機能搭載に伴う操作キー配置の最適化、操作キー表記の変化、操作キー追加と統合がなされ、統一された変遷が確認できた。

収録刊行物

  • 芸術工学会誌

    芸術工学会誌 72 (0), 105-112, 2016

    一般社団法人 芸術工学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ