環状ホスファチジン酸の生理活性

  • 後藤 真里
    お茶の水女子大学ヒューマンライフイノベーション研究所
  • 室伏 きみ子
    お茶の水女子大学ヒューマンライフイノベーション研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Insights of cyclic phosphatidic acid function
  • カンジョウ ホスファチジンサン ノ セイリ カッセイ

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抄録

環状ホスファチジン酸(cyclic phosphatidic acid:cPA)は,我々が1985年に真性(真正)粘菌Physarum polycephalumから初めて単離し,構造や生理活性に関して1992年に論文発表した生理活性脂質である.その後の研究によって,cPAが粘菌のような特殊な生物のみに存在する物質ではなく,多くの生物種に普遍的に存在する生理活性脂質であることがわかってきた.cPAは,リゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid:LPA)と構造が類似しているが,グリセロール骨格のsn-2位とsn-3位に環状リン酸基を持つ非常に特徴的な構造を有している.本稿では,cPAの多様な生理活性を紹介し,今後の課題について概説する.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 90 (6), 757-765, 2018-12-25

    公益社団法人日本生化学会

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