胆嚢栄養動脈への腫瘍浸潤は遠位部悪性胆道狭窄に対するMetallic Stent留置後胆嚢炎の危険因子である

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  • TUMOR INVASION TO THE ARTERIES FEEDING THE GALLBLADDER AS A NOVEL RISK FACTOR FOR CHOLECYSTITIS AFTER METALLIC STENT PLACEMENT IN DISTAL MALIGNANT BILIARY OBSTRUCTION

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抄録

<p>【目的】 悪性胆道狭窄に対するself-expandable metallic stent(SEMS)留置後の主な合併症のひとつに胆嚢炎があげられる.虚血は胆嚢炎の危険因子のひとつであるが,SEMS留置後の胆嚢炎の発症における胆嚢栄養動脈への腫瘍浸潤の影響については知られていない.本研究はSEMS留置後胆嚢炎の危険因子を同定することを目的とした.</p><p>【方法】 対象は2012年1月から2016年6月までに京都大学医学部附属病院および大津赤十字病院で,切除不能遠位部悪性胆道狭窄に対しSEMS留置を行った107例について,胆嚢炎の発症率,9つの予測因子を後方視的に検討した.</p><p>【結果】 SEMS留置後胆嚢炎は107例中13例(12.1%)で発症し,観察中央期間は262日であった.単変量解析の結果,胆嚢栄養動脈への腫瘍浸潤(P=0.001)および胆嚢管合流部への腫瘍浸潤(P<0.001)が危険因子として同定された.多変量解析ではこれらふたつの因子が有意かつ独立した危険因子であることが示された(胆嚢栄養動脈腫瘍浸潤:オッズ比 22.13;95% 信頼区間 3.57-137.18;P=0.001,胆嚢管合流部腫瘍浸潤:オッズ比 25.26;95% 信頼区間 4.12-154.98;P<0.001).</p><p>【結語】 胆嚢管合流部への腫瘍浸潤に加え,胆嚢栄養動脈への腫瘍浸潤がSEMS留置後胆嚢炎の危険因子であることをはじめて示した.</p>

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