現代フランスにおける文学的知の継承

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  • ゲンダイ フランス ニ オケル ブンガクテキ チ ノ ケイショウ

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抄録

現代フランスの知識人において、文学的・思想的な「文化資本」が、どのように継承され、現実に関わるにあたっての糧になっているのかを、エマニュエル・マクロンの事例から分析する。彼のセルフイメージを表す公式肖像写真、選挙戦期間中あるいは大統領就任後の演説やインタビュー、さらにはその著書にはフランス文学や思想からの引用や参照が数多く見られるが、それは彼にとって、知識人の単なる高級な趣味や教養ではない。政治にはプログラムを俯瞰的視点で支えるプロジェクト、ヴィジョンが必要だと彼が主張し、それを担うのが大統領の役割だと言うとき、文学が超越的、非時間的な次元を保証すると彼が考えている限りにおいて、文学は現実への関わりにおいて不可欠なものとなっている。

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