高齢者施設におけるエネルギー必要量の推定方法の実態と課題

  • 工藤 美奈子
    東京家政大学大学院人間生活学総合研究科 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部
  • 峯木 眞知子
    東京家政大学大学院人間生活学総合研究科
  • 和田 涼子
    東京家政大学大学院人間生活学総合研究科
  • 杉山 みち子
    神奈川県立保健福祉大学栄養学科
  • 髙田 和子
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Current Methods for and Problems in Estimating Energy Requirement in Nursing Homes
  • コウレイシャ シセツ ニ オケル エネルギー ヒツヨウリョウ ノ スイテイ ホウホウ ノ ジッタイ ト カダイ

この論文をさがす

抄録

<p>【目的】高齢者施設で給与エネルギー目標量を設定する場合に,どのようにエネルギー必要量(以下ER)を推定しているか,推定方法の実態と推定方法や推定値の活用における課題を明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】東京都内の介護老人福祉施設114施設,及び東京都内と神奈川県内の介護老人保健施設115施設の栄養管理者を対象に,ERの推定方法と課題について質問紙調査を行った。</p><p>【結果】回収率は58.1%であった。ERの推定方法は「基礎代謝量×活動係数×ストレス係数」が64.7%と最多で,使用している基礎代謝量の推定式はHarris-Benedict式が66.1%であった。ERの推定値が対象高齢者に適切かの回答は「適切である」が21.8%,「適切ではない」が23.3%,「わからない」が49.6%であった。</p><p>【結論】ERの推定値が対象高齢者に合わないと感じ,値の調整を行っている割合が44.4%であった。現在推奨されている,食事摂取基準に準じた式や数値から求めるERの推定方法は,高齢者施設の現場に適さない場合が多い可能性が示唆された。エビデンスに基づいた要介護高齢者に適したERの推定方法の確立が必要である一方で,式による推定だけでなく,個人差に対する適切な調整方法の確立も栄養ケア・マネジメントにおいては重要である。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 76 (6), 163-171, 2018-12-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ