環境社会学における参加型調査の可能性――三番瀬「評価ワークショップ」の事例から――

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タイトル別名
  • The Possibility of Participatory Research in Environmental Sociology: The Case of an “Evaluation Workshop” in Sanbanze, Tokyo Bay
  • カンキョウ シャカイガク ニ オケル サンカガタ チョウサ ノ カノウセイ サンバン ゼ ヒョウカ ワークショップ ノ ジレイ カラ

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抄録

<p>環境社会学の調査・研究を,環境保全に向けた社会的実践と緊密に連携させるにはどうすればよいか。そのための一つの方法として,本稿では「参加型調査」という考え方に注目し,これを環境社会学の調査設計に生かす方法を探る。議論の素材として,筆者らが2004年から2005年にかけて行った「三番瀬円卓会議ふりかえりワークショップ」について報告する。このワークショップは,住民や漁業関係者,環境保護団体などが参加して干潟の環境再生を議論した千葉県の「三番瀬円卓会議」について,その運営プロセスや手法を,会議に参加した住民や研究者自らがインタビュー調査やワークショップなどによって検証したものであった。このように,住民らと研究者が簡易な社会調査やワークショップの手法を用いて,具体的な問題やプロジェクトについて検証・評価活動を行う「評価ワークショップ」は,様々な課題に応用可能な参加型調査の一つのモデルとなると思われる。三番瀬での評価ワークショップの実践は,社会集団や個人の主張・行為をベースとした問題の過程分析,問題連関の全体的な把握や提示,そのためのインタビュー・資料分析の技法といった環境社会学の調査法を,他分野の研究者との協働を通じて加工しながら,地域住民など当事者が環境問題をめぐる意思決定プロセスを検証・評価する際に提供することにより,環境保全の実践の場に生かす可能性を示している。</p>

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