ハツカネズミの胎児におよぼす過剰ビタミンAの影響外形異常および染色体観察

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  • Effects of hypervitaminosis A on developing muse embryos, with special regard to malformations and chromosomes

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抄録

当教室で維持しているハツカネズミの近交系の中で,MT系では脱脳症,dd系では前肢の多指症,Swiss-albino系では後肢の多指症が自然発生することが知られている.本実験ではこれら3系のハツカネズミを用い,妊娠9日目にビタミンA15,000 I.U.を腹腔内に注射し,妊娠18日目に母体を開腹して胎児の発生状況を観察した.胎児の死亡率は実験群で著しい増加がみとめられた.MT系における脱脳症の出現率は実験群と対照群との間に大差なく,dd系およびSwiss-albino系における多指症は実験群では全く検出されなかった.一方実験群では対照群で検出されなかった外形異常が多数観察された.異常の種類や発現頻度は系統により多少差異があるように思われる.上記3系中死亡率が最も低く,奇形を多発したdd系を用い,同様の処理を施し,24時間および48時間後の胎児の染色体を調査した.染色分体の切断またはgapなどの異常をもった細胞が低頻度に観察された.

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