房総半島東岸沖で観測された急潮の特徴

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of the <i>Kyucho</i> observed off the eastern coast of the Boso Peninsula
  • ボウソウ ハントウ トウガンオキ デ カンソク サレタ キュウチョウ ノ トクチョウ

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説明

<p>房総半島東岸沖で発生する急潮の特性を理解するために,2010年3月からの約1年間,房総半島東岸沖の陸棚上(水深60 m)において係留流速観測(設置水深10 mと35 m)を実施した。流速記録では,岸に沿う北東- 南西成分が卓越し,50 cm/s以上の強流が9回観測された。このうち8回の強流は,沖を流れる黒潮とは逆向きの南西向流であった。南西向きの強流のうち,3回の強流発生時には,低気圧の通過にともなう北風の連吹と沿岸水位の上昇および水位極大の伝播がみられ,これらの強流が既往の研究で指摘されている風励起の沿岸捕捉波に関係して発生したことがわかった。ただし,このうち1回の強流については,増幅した半日周期の流速変動が重なることで発生していた。残りの強流は,近慣性振動流の増幅時や黒潮の接岸時に発生し,加えて,南風の連吹による湧昇域の伝播にともない南西向きの強流が発生する現象も観測された。それぞれの強流の発生機構や流速変動要因の定量的解明は今後の課題として残されたものの,本研究によって房総半島東岸沖で発生する急潮の特徴が初めて整理されたといえる。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 23 (3), 73-86, 2014-05-15

    日本海洋学会

参考文献 (10)*注記

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